2023-01-01から1年間の記事一覧

トルコの食文化8(ピデ、ギョズレメ、アナトリア文明博物館)

昼食後に訪れた「アナトリア文明博物館」は古代文明の遺物を展示している博物館で、1997年にヨーロッパの最優秀博物館賞を受賞、歴史愛好家や古代トルコについて学びたい人には必見の博物館なのだとか。 博物館へ入る前に日向の熱い所でトルコの歴史の説明を…

トルコの食文化7(ドルマ、アタチュルク廟)

エスキシュヒルからトルコの首都アンカラへ移動。これまでのルート(イスタンブールからブルサ、エスキシュヒル、アンカラ)を地図で見ると下記のようになります。 まず訪れたのは、首都アンカラでは外せない観光名所「アタチュルク廟」。トルコ共和国初代大…

トルコの食文化6(キョフテ)

ブルサから約3時間かけてエスキシュフェールへ到着後、しばらく休憩してからホテルのキッチンで、夕食に出る「キョフテ」の作り方を見学しました。 「キョフテ」というのは、ひき肉を使った肉料理のことで、日本のハンバーグとほぼ同じ作り方です。シンプル…

トルコの食文化5(ケバブ、ウル・ジャーミー)

国民の大多数がイスラム教徒のトルコには、礼拝のために集うモスクが各都市の至る所にあります。 オスマン朝が誕生したブルサにはたくさんのモスクが残されていますが、その代表的なものがウル・ジャーミーという大モスク、スカーフをかぶってモスクに入りま…

トルコの食文化4(トルコ菓子)

イスタンブールからフェリーでボスポラス海峡を渡って行ったブルサ(オスマン帝国最初の首都)の町で買った「ピシュマニエ」という菓子が、思いがけないおいしさでみんな競って買い求めました。小麦粉、砂糖、バターを使って作る綿菓子みたいな細い砂糖の繊…

トルコの食文化3(羊飼いのサラダとマラシェ・ドンドゥルマ)

食当たりをした日の夕食は、義務的に食べたような感じがします。 オードブル、メインディッシュ、サラダ、デザートと献立構成は完全な洋風スタイルです。 サラダは、いろいろな野菜を細かく刻んでドレッシングで和えたようなものでした。「こんなに切って混…

トルコの食文化2(トプカプ宮殿)

イスタンブール市内観光で心に残っているのは「トプカプ宮殿」くらい、というのは昼食で食べたムール貝が当たったらしく気分が悪くて、数か所の観光はキャンセルしたためです。 トルコ初っ端の食事で遭遇した災難はトルコにいる間ずっと尾を引き海外旅行で唯…

トルコの食文化1(プロローグ)

国旗を眺めていて気づいたことですが、トルコの国旗は赤地に白の三日月と星、日本は白地に赤の太陽。 アジアで一番東に位置する日本と、アジアの西端トルコの国旗の対比、偶然とはいえ何だか不思議です。 トルコはアジアとヨーロッパにまたがり、「アジアと…

中国雲南省14(エピローグ)

中国の観光地としてはマイナーな感じの雲南省、それもかなり奥まったところにある西双版納へ食研修として訪ねたのは20年および30年前。 今はずいぶん変わっているのかもしれませんが、当時感じたことを少し吐露します。 中国は都市部と農村との生活の差は驚…

中国雲南省13(昆明での潮州料理)

帰りに寄った昆明(雲南省の州都)のホテルでいただいた潮州料理です。 雲南の料理と比較するために、以前、広東料理の中に入れて紹介していたものに加筆修正し、再渇します。 潮州市は広東省の東部に位置し、福建省とも接しており多くの華僑を出しているこ…

中国雲南省12(西双版納6)

ハニ族のショーを見ながら頂いたハニ族民族料理。 たった1回の料理でハニ族料理の特徴を知ることはできませんが、タイ族同様、少数民族の料理はそんなに手の込んだものではない気がしました。 素揚げしたセミの幼虫は以前屋台でも売られていたので、別に特殊…

中国雲南省11(西双版納5)

雲南省は高温多湿で発酵食品を作るのに適した地で、発酵食品のルーツともいわれ、魚のなれずし、納豆味噌、プアール茶、雲南火腿(ハム)などが有名です。 なれずしは淡水魚を塩と飯で発酵させたもので寿司の原型といわれ、日本には稲作とともに伝播したとい…

中国雲南省10(西双版納4)

西双版納のレストランでショーを見ながら頂いたタイ族名物料理。 糯米の産地とはいえ、赤米・白米のおこわに加え、パイナップルおこわと3種類もおこわが出てきたのにはびっくり。パイナップルおこわはパイナップルの中身をくりぬいて、この中に紫糯米を蒸し…

中国雲南省9(昆明)

雲南2日目、自由市場や西山竜門石窟を見学した後の昼食が心なしか10年前に比べて手の込んだ料理に思えるのは「昆明飲食服務学校」(日本の調理師学校に相当)の先生方との懇談会食だったせいかもしれません。 雲南省ならではの食材や料理が並びました。 雲南…

中国雲南省8(10年後)

2回目の雲南省は10年後の2002年で、日本調理科学会九州支部第1回海外研修(雲南省の食文化を訪ねて)への参加でした。 福岡空港から広州へ飛び、国内線に乗り換えて昆明に到着したのは夜間で、予定されていた昆明名物料理の夕食がフイになり、宿泊ホテル近く…

中国雲南省7(西双版納での広東風料理)

西双版納で食べた広東風料理は、イラストを見ただけでもちょっと趣が異なり、これまでの西双版納の料理に比べて人の手が加わった感じです。 玉米湯(コーンスープ)は日本でもおなじみのスープです。 中国では一般にご飯も料理と同様大きな器に盛られて出て…

中国雲南省6(西双版納3)

タイ族の集落で見学した高床式住居の中は、台所、寝室、応接室等の主要な生活空間は2階にあり、1階には家畜小屋と農機具置き場や倉庫等がありました。 高床式住居は、通風性に優れ夏は涼しく、激しい降雨による洪水から家屋や財産を守り、動物やヘビ等の爬虫…

中国雲南省5(西双版納2)

西双版納・タイ族自治州に位置する勐海県(もうかいけん)での昼食は、炒め物中心のありふれた料理でした。ハチの子は日本でも食べられていますが、どう見たって蛆!食べるのに勇気が必要でした。近い将来昆虫食は日常になりそうで、案外抵抗なく食べられる…

中国雲南省4(西双版納1)

昆明から西双版納へは空路で30分程度です。 宿泊したホテルは、冷房は壊れているうえ、電気も2か所しかつかず、カーテンを開けようとしたらはずれる等、宿泊客の少ないホテルなのだろうかと思ったくらいでした。 夕食は、昆明で食べたものと同様、炒め物中心…

中国雲南省3(昆明)

中断していた雲南省の食に戻ります。 雲南民俗学院の先生から少数民族について講義を受けた後資料館を見学。民族による様々な違い、特に文字の違いは大変面白いものでした。日本と中国の漢字の違い(中国の漢字はかなり簡略化されていますが、何となく意味は…

奇跡的?な出来事

「えっ、どうしてこんなところで会えたの?」と思うような話です。 先日、ソウルのYさんから11月5日に日本に行くので都合がよければ食事でもと誘われましたが、あいにく同時期に私も旅行ということで、「残念だわね、また今度」ということになっていました…

クルーズの旅(2)

旅の楽しみの一つは食事。お客が変わるわけではないので、飽きの来ないよう料理の種類やメニューが工夫されています。 夕食を例にとると、フランス料理、日本料理、イタリア料理、日本料理、フランス料理といった具合です。 朝食以外は5日間すべて異なる料理…

クルーズの旅(1)

天候に恵まれた6日間の旅、遅ればせながら、、、 博多港発着、瀬戸内海を周航、小豆島・熊野観光予定でしたが、小豆島は風が少し強かったため(ボートで桟橋まで渡ることが出来ず)中止になりました。 船内での楽しみは色々あるので退屈はしませんが、ちょっ…

中国雲南省2(まずは昆明まで)

1回目の1992年は省都の昆明から西双版納まで直行便が飛ぶようになって間もない頃で、テーマも「西双版納の民族探訪-日本のルーツを訪ねる-」というものでした。 西双版納は雲南省の最南端、ラオスとミャンマーに接し、当時としては秘境の地といった感じで…

中国雲南省1(プロローグ)

雲南省は中国南西部に位置し亜熱帯の気候で、ベトナム、ラオス、ミャンマーと国境を接しています。面積は約39万平方㎞、日本が約38万平方㎞ですからほぼ同程度です。 中国は人口の9割以上を占める漢民族と55の少数民族からなる多民族国家ですが、中でも雲南…

モンゴルの食文化15(エピローグ)

14回にわたる内容から、遊牧民の生活がウシ、ウマ、ラクダ、ヒツジ、ヤギとの共生で成り立っていることがよくわかります。食材に関していえば、夏は家畜から絞った乳をクリーム状、固形状、飲料などに加工した数多くの乳製品(白い食べ物)、冬は羊、牛、馬…

モンゴルの食文化14(ウランバートル市内見学とホテルの食事)

モンゴル最後の2日間はウランバートルの市内見学(自然史博物館や市場等)をし、民俗芸能鑑賞を楽しみました。ギネスブックにも載っているという世界一大きいゲルは、200人のパーティ会場や500人入る映画館になるとのこと。 初めてホーミーを耳にしたときは…

モンゴルの食文化13(ヤギの石焼き)

午前中行ったヤギの解体は次のような方法です。 2歳という子ヤギの角をもって眉間をたたくか喉を刺し、角を柱に付けてヤギをぶら下げ解体作業に入るのですが、足が痙攣しとても苦しそうでした。首の皮のぐるりを切り、皮についている肉はそのまま残し骨や内…

モンゴルの食文化12(ゲルの解体と組み立て)

午前中、ジンギスカン博物館・ヤギの解体(夕食用)見学、餅(ビン)・ボールツ・ボーズ作りとタイトなスケジュールで昼食は2時過ぎでした。 餅(ビン)は中国や台湾でおなじみの葱油餅みたいな物ですが、葱の代りにしびれ草が使われていました。 いつものパ…

モンゴルの食文化11(小麦粉料理)

小麦はほぼ自給しているというモンゴル。小麦粉を使った代表的な料理といえばボーズ、ホーショール、ゴリルタイ・シュル等があり、料理講習で作ったものが夕食になりました。 ホーショールはミンチ肉を小麦粉で作った皮で包み揚げ焼きしたモンゴル風揚げ餃子…