ベトナムの食文化4(宮廷料理、春巻き)

知人の紹介で行ったベトナムの宮廷料理。 宮廷料理は約150年にわたってベトナムを統治したグエン王朝時代に歴代皇帝が愛した料理で、こだわりは見た目の美しさ。古都フエはベトナム中部の都市で、この地は豊かな南部に比べ食材が限られているため、いかに美…

ベトナムの食文化3(フォー、バインセオ)

昼食はベトナム感満載の料理でした。 最初に出た一皿は、ベトナムを代表する生春巻き。これに添えられた赤かぶのバラ細工はお見事でした。 胡麻とお漬物をのせたおこげも、ベトナムが米文化国であることを物語っています。 マンゴージュースも混じりけなし申…

ベトナムの食文化2(クチトンネル、キャッサバ)

まず訪れたのはホーチミンから車で約1時間半のクチトンネルでした。ベトナム戦争中に、南ベトナム民族解放戦線(通称ベトコン)によってゲリラ戦の拠点として作られた巨大な地下基地で、カンボジアの国境付近まで張り巡らされた全長250kmのトンネル内には数…

ベトナムの食文化1(プロローグ)

ベトナムといえば1955年~1975年まで20年間続いた「ベトナム戦争」が条件反射のように頭に浮かびます。 私が大学生だったころ(1964~1968年)反戦デモに参加する学生の姿をよく目にしましたが、当時ノンポリ(政治に無関心なという意味で、今では死語になっ…

フランスの食文化20(エピローグ続き)

フォン(だし)やバターなどの油脂、酒類、香辛料など様々な材料を用いて作られるフレンチのソース。中には芸術作品と呼ばれるほど完成度の高いものもあり、まさにシェフの腕の見せ所なのかもしれません。 ただ、料理とソースの関係を眺めてみると、ヌーヴェ…

フランスの食文化19(エピローグ)

フランスの料理に触れて感じることは、フランス料理がイタリア料理を原型としているため、献立構成など若干似たところはあるものの、料理自体はかなり異なり、その違いを特徴づけているのはソースではないかということです。今回取り上げた料理でも、オード…

フランスの食文化18(賛助出演、ベルギー3)

ベルギー訪問2回目の時の夕食です。 前回同様山盛りのムール貝はとてもおいしく、私がビデオ撮影している間に残り少なくなっていました。 ビールが好きでもないのに2種類も注文したのは単なる好奇心。ビールの味に疎い私でも違いがはっきり分かる味わいでし…

フランスの食文化17(賛助出演、ベルギー2)

初めての海外旅行の最後の晩餐はベルギーでの夕食で、キリストの最後の晩餐と同じ13人! 概してヨーロッパでの食事時間は長いのですが、最後ということもあったのか、何と3時間にも及びました。これだけの料理でよく3時間も持ったという気はしますが、最後な…

フランスの食文化16(賛助出演、ベルギー1)

ベルギーには2回行きましたが、いずれもパリからの帰りに寄ったもので滞在はせいぜい1~1.5日です。 ベルギーの料理はフランスの食文化に影響を受けているといわれますが、確かにこの時の昼食もフランス料理の延長線上にあります。 違いといえば、フランスだ…

フランスの食文化15(美術館、牛肉の赤ワイン煮込み)

駆け足でパリ市内観光とオルセー美術館の見学。オルセー美術館は2回目ですが、広すぎて短い時間で鑑賞するには限定して鑑賞するしかなく、熱血ガイドさんが説明されたのは印象派の絵画。駆け足旅行で行くところではないなあと思います。翌日のロンドンでも同…

フランスの食文化14(ルーアン)

モン・サン・ミッシェルを見てパリに帰る途中夕食をとるためルーアンに寄ったのですが、この地はジャンヌダルクが19歳で火刑に処せられた地として有名です。 比較的リーズナブルな旅行費用は食事内容にも反映されていて、先に訪れたドイツやスイスは、もとも…

フランスの食文化13(モン・サン・ミッシェル、オムレツ)

ここからは、2013年に「8日間でヨーロッパ4か国」という駆け足旅行で寄ったフランスでの食事記録です。 この時のフランス観光の目玉は「海に浮かぶ修道院」として有名なフランスの修道院モン・サン・ミッシェルで、1979年にユネスコの世界遺産に登録されてい…

フランスの食文化12(パリの1日)

1日だけのパリ観光は午前中がオルセー美術館、午後はフォンテンブロー城、夜はモンマルトルにあるシャンソン酒場へと繰り出しパリを満喫したはずでした・・・・・ フォンテンブロー城での日本人用ガイドさんは「いらっしゃいませでございます」調の日本語を…

フランスの食文化11(オランデーズソース)

アビニヨン~パリ間の新幹線の中で食べたお弁当。これは2022年8月1日に「弁当1」としてトップに登場させたものの再渇です。 添乗員から「今日の昼食はお弁当です」といわれ、日本のお弁当を想像して期待していたのに、渡されたのは白いビニール袋の中に無造…

フランスの食文化10(アヴィニヨン)

アヴィニヨンのホテルでの夕食イラストは、皿の模様も含めておいしそうに描いている割にあまり記憶に残っていなくて、特に層状のオムレツってどんなオムレツだったっけという具合なのです。 料理のことよりは「アヴィニヨンの橋の上で」の歌詞通り(といって…

フランスの食文化9(アルル)

マルセイユからアヴィニヨンまでの途中アルルへ寄り、円形闘技場、サン・トロフィーム聖堂、アルル博物館などを見学。アルルといえばゴッホ。「アルルの跳ね橋」の絵の中の跳ね橋は、20世紀前半にコンクリート橋にかけ替えられたため現存せず、私たちが見た…

フランスの食文化8(ブイヤベース)

夕食は、魚介類が豊富なマルセイユならではの名物料理ブイヤベース。 テレビのグルメ番組「SEIKOグルメワールド 世界食べちゃうぞ!!」で紹介されたレストランでした。 この番組は、司会の関口宏が2人前後のゲストとともに現地で行なった食べ歩きロケを放映し…

フランスの食文化7(カンヌ、マルセイユ)

ニースからマルセイユへ移動する途中寄ったカンヌは国際映画祭として知名度が高い地で、有名な俳優さんが押した手形がたくさん残っていました。 カンヌ国際映画祭は世界三大映画祭(他の2つはベルリン・ヴェネツィア国際映画祭)の一つですが、これらの映画…

フランスの食文化6(賛助出演モナコ)

地図で見れば、モナコはニースとは目と鼻の先といった距離にあり、面積は2.02㎢、これは皇居の総面積くらいの広さで、主権国家としてはバチカン市に次いで世界で2番目に小さいのですが存在感がありますよね。人口密度は世界一、公用語はフランス語、F1やカ…

フランスの食文化5(ニースの海岸、ネグレスコホテル)

ニースは、コート・ダジュール(紺碧海岸)に面する世界的にも有名なリゾート地です。紺碧の海と空が広がるニースの海岸の写真を見るだけでも旅情を誘われます。夕食までの間、数人でホテルの目の前にある海へ出かけました。海水浴を楽しもうと意気込んだも…

フランスの食文化4(南仏ニース)

イギリスでの食研修を終えて南仏ニースへ着いたとき、空気が一変していることに気づきました。空港はもわっとした温かさに包まれ、外は日差しも強く、同じヨーロッパでも緯度によってもこんなに差があるのかとびっくりしたものです。スコットランドと南仏を…

フランスの食文化3(古典的なフランス料理)

ルーブル美術館近くのレストランでいただいた昼食は古典的なフランス料理。 フランス料理はオードブルとメイン、デザートが基本です。 オードブルのフォアグラは、ガチョウやアヒルに沢山の餌を与えて、肝臓を肥大させたもので、キャビア、トリュフに並ぶ世…

フランスの食文化2(生牡蠣、シャンソン)

まずは初めてパリを訪れた時の夕食から。 実はこの時は、料理イラストはなく料理名のみの記録しかありません。最初に出てきた魚貝類のオードブルがあまりに見事で描くのをあきらめたためです。 日本では牡蠣といえば牡蠣フライや土手鍋等加熱することが多い…

フランスの食文化1(プロローグ)

フランス料理の原型はイタリア料理ですが、今や世界三大料理の一つとして誰もが認める西洋料理の代表格に位置づけられています。 国賓をもてなす宮中晩さん会のメニューも基本はフレンチで、格式ある西洋料理はフランス料理というイメージが私の中にあります…

福建省の食文化12(エピローグ)

福建省の旅行で記憶に残っていたのは武夷山の大紅袍と佛跳牆くらいで、あまり書くことはないなあと思っていたのですが、Nさんの記録のおかげで様々なことが思い出され、他の省に匹敵するボリュームになりました。記録は大事とあらためて思います。 福建料理…

福建省の食文化11(福州最後の食事)

福州観光を終えて上海へ発つ前、空港近くのレストランで食べた夕食です。 取り立てて珍しい料理が出たわけではないのですが、新鮮な海の幸山の幸がふんだんに使われた素朴で家庭的な中国料理といった感じでした。 中国の定番魚料理といってもよいくらいよく…

福建省の食文化10(茶・茶・茶)

お茶に特化した旅行では、茶摘み、茶製造工程の見学のほかに必ずといっていいほど茶葉市場や茶芸館を訪れます。以前、お茶も料理もいただき放題、しかも1日中いても店の方に嫌な顔をされないとあって、地域の人々の憩いの場になっているような茶芸館にも行っ…

福建省の食文化9(佛跳牆)

夕食の続きです。主役は何と言っても福州発祥の佛跳牆(ぶっちょうしょう)。 佛跳牆はぶっ飛びスープとも呼んでいますが、名前の由来は「あまりの美味しそうな香りに精進料理しか食べられないと定められている僧侶でさえもお寺の塀を飛び越えて来る」という…

福建省の食文化8(蔬菜市場)

武夷山観光の後、空路で州都の福州に移動し、見学した蔬菜市場には野菜類が山のように積まれていました。 唐辛子。概して海外の香辛料市場はこんな感じで、小瓶に入って売られている日本の香辛料をみると、香辛料文化ではないとつくづく思います。 カリフラ…

福建省の食文化7(大紅袍茶樹)

いよいよ、旅のハイライト、大紅袍茶樹の原木を目指して天心景区へ。 「大紅袍」何それ?と思われるかもしれませんので、少しばかり説明を。 大紅袍は、武夷市で生産される岩茶の銘柄の一つですが、数ある武夷岩茶の中でも頂点に君臨しているともいわれるお…