トルコの食文化3(羊飼いのサラダとマラシェ・ドンドゥルマ)

 食当たりをした日の夕食は、義務的に食べたような感じがします。

 オードブル、メインディッシュ、サラダ、デザートと献立構成は完全な洋風スタイルです。

 サラダは、いろいろな野菜を細かく刻んでドレッシングで和えたようなものでした。「こんなに切って混ぜなくてもよいのに」とやや否定的なコメントを記載したのは、きっと食べにくかったためと思います。何の変哲もないように見えますが、このサラダ、“羊飼いのサラダ”という意味のトルコの定番サラダで、何度か出てきました。トマト、タマネギ、キュウリなどの野菜を角切りにし、オリーブ油とレモン、塩のみで調味するシンプル、かつさっぱりした風味が特徴です。名前の由来は、羊飼いが牧場での休憩時間にさっと野菜を刻んで作れる簡単なサラダというものだそうですが、細かく切るのは手間がかかるのだけどなと思ってしまいます。

 チョコアイスに「とけない」と書いていますが、溶けにくいという意味です。

 トルコのアイスといえば、「マラシェ・ドンドゥルマ」という粘り気の強い伸びるアイスが有名です。

 トルコアイスが伸びるのは、トルコの山岳部に自生するサーレップというラン科の花の球根を乾燥させて粉末にしたものを使っているためです。

 粘りの強いアイスなので、喉つまりを防ぐため、トルコ人の多くはこれを食べる際は必ず水を用意するそうです。

 粘り気が強くよく伸びるのを利用して、面白いパフォーマンスをしながら販売する店員の様子をテレビで見たことがあります。お客さんがアイスの入ったカップを手に取ろうとするとアイスをすくう長い棒で持ち上げるため、なかなかゲットできないというものですが、溶けやすいアイスではこんなパフォーマンスはできません。食事に出たアイスはマラシェ・ドンドゥルマだったのかもしれませんが、フォークやスプーンで食べるのではなく、パフォーマンス付きのコーンカップ入りを食べたかったですね。