2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

中国浙江省の食13(エピローグ)

浙江省が、中国のどのあたりにありどんな都市があるのか、気候についても十分な知識はなく、食に関しても白紙のような状態で訪れたのが20年前。在職中の多忙さも手伝い20年間イラスト記録はしまい込んだままになっており、浙江省の料理がどんなものだったの…

中国浙江省の食12(紹興料理2)

紹興酒は紹興一帯で作られている中国の代表的な醸造酒。この酒が紹興で生産されるようになった理由として良質の糯米や水が得られることがあげられています。とりわけ鑑湖の水を用いたものはおいしいのだそうです。名水と銘酒はセットといわれ、日本酒も水質…

中国浙江省の食11(紹興地方料理)

紹興での夕食は魯迅の小説にも登場する老舗のレストラン「咸亨酒店」で摂りました。魯迅は中国の小説家、翻訳家、思想家として有名ですが、留学した日本では医学を学んでいます。魯迅の足跡をたどることが出来る「魯迅記念館」や当時の家具がそのまま保存さ…

中国浙江省の食10(東陽の食)

金華市から紹興市へ向かう途中の東陽市で食べた昼食です。 飾り気のない実質的な炒め物が多く、庶民の味といった感じです。 ピリ辛料理も含めてこれまでとちょっと感じの異なる料理。 スープにも唐辛子が入り、東坡肉も他に比べて濃い味付け。 浙江省の料理…

中国浙江省の食9(金華火腿宴)

金華火腿宴というだけあって、いろいろな料理に金華ハムが使われていました。 料理の初めに出た2つのお茶は「開化龍頂」と「千日紅仙桃」。前者は浙江省開化県で生産されている中国緑茶で、ガラスコップに80度くらいの湯を注いで茶葉を入れます。茶柱のよう…

中国浙江省の食8(金華火腿)

金華火腿(金華ハム)は、浙江省の金華地区で生産されるハムで、イタリアのパルマ、スペインのハモン・セラーノと並んで世界三大ハムの1つに数えられています。 頭と尻が黒いパンダのような「両頭烏」と呼ばれる小型種豚の後腿のみを用いて塩蔵、塩抜き、2週…

中国浙江省の食7(杭州の名物料理2)

日本調理科学会九州支部主催の研修旅行、杭州1日目の夕食は前回の杭州料理を更にグレードアップしたような内容でした。 様々な食材が調理されて小皿に盛られた前菜がテーブルいっぱいに並びました。 これらを記録しながら食べるのはなかなか大変です。 乞食…

中国浙江省の食6(杭州の名物料理)

杭州2日目のレストランでの夕食は杭州の名物料理満載でした。 私は好き嫌いの少ない方ですが、カメムシをつぶしたような臭いの香菜(パクチー)は苦手です。中国では出現頻度の高い野菜ですが、香菜のみの料理は初めてでした。料理の中に混ざっていたらお手…

中国浙江省の食5(家庭料理)

昼食は茶農家のご主人が自ら作られるとのことであまり期待はしていなかったのですが、掛け値なしのおいしさでした。地元食材の特徴がうまく引き出され、味付けも申し分なくこれぞ家庭料理の極みだといたく感動し、「中国はどこで食べてもおいしい」と思うに…

中国浙江省の食4(龍井茶の品茶)

龍井村の茶農家で茶づくりを見学した後、グレードの異なる龍井茶の品茶(お茶を品評すること)を行いました。 品茶したお茶は明前茶と雨前茶、その中間のもので価格は1斤あたり1000元・500元・800元というもの。 少し補足すると、お茶は摘採時期による品質の…

中国浙江省の食3(龍井茶)

日本人にとってポピュラーな中国茶は、烏龍茶やプーアル茶、ジャスミン茶かと思いますが、実は、中国で最もよく飲まれているのは緑茶で、中でも龍井茶(ろんじんちゃ)は色・味・香り・形が絶品という意味の「四絶」と呼ばれ、中国緑茶の代表格ともいえる味…

中国浙江省の食2(杭州)

南宋の都として栄えた杭州(浙江省の州都)は、緑と湖と運河が織りなす風光明媚な地で、イタリアの旅行家マルコ・ポーロが「東方見聞録」の中で、「世界で最も美しく華やかな天上の都市」と書いているほどです。中でも杭州の美しさを端的に物語るのは杭州の…

中国浙江省の食1(プロローグ)

今回から浙江省(せっこうしょう)の料理に入ります。 浙江省は中国の東方中部にあり、北は江蘇省と上海市、西は安徽省と江西省、南は福建省に接し、東側は東シナ海に面しており多彩な海産物が獲れます。気候は温暖で降水量が多く山の幸にも恵まれ、さらに川…