中国浙江省の食10(東陽の食)

 金華市から紹興市へ向かう途中の東陽市で食べた昼食です。

 飾り気のない実質的な炒め物が多く、庶民の味といった感じです。

 ピリ辛料理も含めてこれまでとちょっと感じの異なる料理。

 スープにも唐辛子が入り、東坡肉も他に比べて濃い味付け。

 浙江省の料理は、素材の持ち味を生かすため、塩味でさっぱりとした味付けが特徴とされていますが、東陽市は中国内陸部からの労働者が多いため全体に辛い料理が多いとかで、浙江省では珍しいピリ辛味の料理が多く、喫食対象者によって料理の種類も味付けも変わるのだと思いました。

 これについて思い浮かべるのは織田信長のことです。

 織田信長の命令を受けて三好家の料理人が作った料理は上品な京風料理、まずいと評価され、手打ちにされかけたのですが、もう一度チャンスを与えられ、今度は塩辛い田舎風の味付けの料理を出したところ、信長は喜んで食べたというエピソードです。合戦に明け暮れていたら体が濃い味付けのものを要求するということでもあるのでしょう。