福建省の食文化1(プロローグ)

 福建省は、北は浙江省、南西は広東省、西は江西省と隣接し、対岸には台湾があり、福建料理台湾料理に大きな影響を及ぼしたといわれています。

 日本では福建省はあまりメジャーな観光地ではありませんが、料理に関していえば、米や魚を多く使い比較的あっさりした味付けで日本人の口に合いやすく、旅行して違和感のない所という気がします。

 福建省へ行ったのは丁度20年前、中国茶に熱を上げていた頃で武夷の岩茶を求めての旅はわずか5日間。

 しかも上海経由だったため福建省は実質3日間でしたが、製茶工場の見学(2か所)、大紅袍茶樹の見学、茶葉料理の試食等中国茶三昧の中に名物料理の試食や武夷山観光もちょこっと入ったコンパクトな旅でした。

 

 ところで、福建省習近平主席が若い頃勤務した地で、台湾統一への執着はこの時代に培われたといわれています。1985年に周主席が32歳で副市長となったアモイ市の対岸には地図で見れば目と鼻の先くらいの距離に当時台湾が実効支配していた金門島があります。金門島を皮切りに台湾統一へ向けて、着々と準備が進められ今日に至っているというわけです。

 食とは関係ない内容ですが、台湾総統選が終わったばかりで、中国と台湾の関係について様々な懸念が伝えられているため、条件反射のように福建と台湾が結びついてしまいました。