中国浙江省の食2(杭州)

 南宋の都として栄えた杭州浙江省の州都)は、緑と湖と運河が織りなす風光明媚な地で、イタリアの旅行家マルコ・ポーロが「東方見聞録」の中で、「世界で最も美しく華やかな天上の都市」と書いているほどです。中でも杭州の美しさを端的に物語るのは杭州のシンボルともなっている西湖で、「西湖醋魚」のように料理の名前にも使われています。

 杭州でいただいた料理は、取り立ててこれといった特徴は感じなかったのですが、全体としてみるとやはり何となく杭州らしさはあるのかもしれません。

 初めて杭州へ行った日の夕食は下記のようなものでした。

 東坡肉は杭州の名物料理ですが、浙江省全域で作られており、東陽や紹興でも出ました。料理名の由来は北宋の詩人蘇東坡が考案したからと言われています。

 アヒルの舌はいかにも中国といった感じがします。牛の舌は牛タンとして焼いたり煮込んだり世界各国で広く親しまれていますが、アヒルの舌は中国以外で食べたことはありません。

 炒め物、スープ等あっさり系です。千切りジャガイモの炒め物は中国では家庭でもよく作られるそうで、ジャガイモの扱いは西洋料理と随分違うなあと思います。

 浙江省でよく用いられる調理法は、炒め物や炒め煮、揚げものや蒸しものといわれますが、この時も炒め物・揚げ物が多かった気がします。