モンゴルの食文化12(ゲルの解体と組み立て)

 午前中、ジンギスカン博物館・ヤギの解体(夕食用)見学、餅(ビン)・ボールツ・ボーズ作りとタイトなスケジュールで昼食は2時過ぎでした。

 餅(ビン)は中国や台湾でおなじみの葱油餅みたいな物ですが、葱の代りにしびれ草が使われていました。

 いつものパターンの昼食ですが、扇面型の皿に盛りつけられたサラダは、ちょっと新鮮です。ボールツは小麦粉に砂糖、バター、ベーキングパウダーを加えて作った生地を薄く延ばして揚げたかりんとうみたいなものです。

 食後、ゲルの解体と組み立て作業を見学しました。

 ゲルというよりパオの方がピンとくるかと思いますが、両者は同じものでゲルはモンゴル語、パオは中国語です。

 ドーム状ゲルの骨組みは、天窓、柱、屋根棒、扉(ドア)、壁という木製パーツを組み合わせて作り、屋根の上と側面に羊の毛で作ったフェルトをかぶせます。羊毛のフェルトは断熱効果大で、しかもストーブの燃料は薪や家畜の糞を乾燥させた地球にやさしい天然リサイクル燃料、本当にエコな生活と思います。

 組み立ても解体もやりやすい構造でコンパクトに畳める、荷物は生活必需品だけ、これぞ移動式住居のあるべき姿なのでしょう。モノであふれ断捨離に迫られている現在の日本の生活とつい比較してしまいます。

 ゲルの組み立て・解体は一人ではなく隣人と助け合っての作業になりますが、3時間もあれば組み立てられ、早い人では1時間程度だそうです。

 ゲルの中心には薪ストーブがあり(ここで加熱調理もする)、入り口から入って左側のベッドが客人用、正面には仏壇や飾り、右側に家族のベッドや食器棚・調理器具など、空いたところに食卓が置かれるそうですが、私たちの宿泊したゲルは4人分のベッドが写真のように壁に沿ってぐるりと並んでいました。