モンゴルの食文化13(ヤギの石焼き)

 午前中行ったヤギの解体は次のような方法です。

 2歳という子ヤギの角をもって眉間をたたくか喉を刺し、角を柱に付けてヤギをぶら下げ解体作業に入るのですが、足が痙攣しとても苦しそうでした。首の皮のぐるりを切り、皮についている肉はそのまま残し骨や内臓(胃と腸)を取り出し、皮を袋状にします。

 石焼きの方法は、ニンニク、玉ねぎ、塩、唐辛子、月桂樹の葉、内臓をよく混ぜ、あらかじめ1時間くらい焼いていた石とともに毛皮肉の中に入れて首の部分を縛って密閉し、外側をバーナーであぶり1時間くらい(ヤギの大きさによって時間は変わるようです)置いておくと蒸し焼き状態になり完成。

 家畜を自分の手で殺すというのは、何だか残酷な気はしますが、遊牧民にとっては私たちが魚をおろすのと同じ感覚かもしれないと思ったりします。

 これは、「ボードク」と呼ばれるヤギ料理で、多くの人が集まる特別な時に作られる料理とのこと。

 夕食は午前中作ったボーズと、焼きあがったばかりのヤギの石焼きでした。

 食べるときは、おなかの中心に切り目を入れて石を除き、皮をそぎ、内臓と肉を切りました。味はといえば、少し焦げ臭く肉質は固かったのですが、いかにも遊牧民風の野趣あふれる料理でした。