モンゴルの食文化15(エピローグ)

 14回にわたる内容から、遊牧民の生活がウシ、ウマ、ラクダ、ヒツジ、ヤギとの共生で成り立っていることがよくわかります。食材に関していえば、夏は家畜から絞った乳をクリーム状、固形状、飲料などに加工した数多くの乳製品(白い食べ物)、冬は羊、牛、馬、地域によってはラクダの肉(赤い食べ物)という具合に。豚や鶏はあまり食べないというのもモンゴルならではの特徴かと思います。

 「モンゴルの食文化」なんてタイトルをつけたものの、食材(特に野菜)が限られ、調理法は「煮る」が基本、味付けは塩味がベースというシンプル極まりない「食」の話はすぐ終わりそうと思っていたのですが、遊牧生活という特殊性からか思いがけなく色々と書くことが出てきました。しかしこれらは28年前の話です。

 地球規模で温暖化が進み、インターネットが張り巡らされグローバル化した現在、モンゴルがどんな風に変容しているのか気になるところです。

 よく「もう一度行ってみたい国はどこですか?」と聞かれます。その度に「どの国もそれぞれ、、、」と答えていますが、どこかに「モンゴルかも」と思っている自分がいます。それほど興味の尽きない国です。

 

 次回から、中国雲南省へ飛びます。

 海に面していないという点では内陸国のモンゴルと同じですが、食文化はかなり異なります。