モンゴルの食文化6(白い食べ物4-ヨーグルト、アーロール-)

 乳は完全食品といわれ基本的に必要な栄養素をとることが出来る優れた食材ですが、生のままだと腐りやすいため、加工して保存する工夫がなされその例がヨーグルトやチーズです。

 ヨーグルトは、乳酸菌や酵母を混ぜ発酵させて作りますが、モンゴルでは乳の原料となる牛、羊、馬、ヤギ、ラクダは家畜として飼われ、さらにウシ科のヤクも加わり様々な味わいの乳製品が出来ます。朝も夕方も食べるそうで、遊牧民にとってヨーグルトは日常の食に欠かせない食品の一つといえます。

 遊牧民の家庭を訪問した時、ウルムをとった後の牛乳(脱脂乳)に前日のヨーグルトの残りを種として加え発酵させていましたが、試食したのはラクダの乳で作ったヨーグルトでした。ラクダの乳という先入観が働いたのか、砂糖を入れずに食したためか、あまり好きな味ではなかったように記憶しています。

     

 

 アーロールはヨーグルトを加熱凝固させて脱水し、天日に干して作る硬く酸味が強いチーズで、味・食感ともこれまで食べたチーズのイメージとは随分異なりました。

 今回、白い食べ物として取り上げたのは「馬乳酒」「ウルム」「スーティツァイ」「ヨーグルト」「アーロール」だけですが、実はモンゴルにはもっとたくさんの乳製品が作られ、これらの加工技術には、自然と共存しながら生活するモンゴル遊牧民の知恵がいっぱい詰まっているような感じがしました