ルーブル美術館近くのレストランでいただいた昼食は古典的なフランス料理。
フランス料理はオードブルとメイン、デザートが基本です。
オードブルのフォアグラは、ガチョウやアヒルに沢山の餌を与えて、肝臓を肥大させたもので、キャビア、トリュフに並ぶ世界三大珍味として有名な食材ですが、私はこれらよりウニや松茸、このわたの方が好みです。フォアグラとともにプレートいっぱいに野菜類が盛られていたのでついサラダと思ってしまいました。
メインは、フランスではポピュラーな鴨料理。フランスの鴨料理といえば鴨料理が名物の「トゥールダルジャン」が条件反射のように浮かんできます。ミシュランの3つ星を長く維持したことでも有名で(現在は1つ星のようです)、世界唯一の支店としてホテルニューオータニに開業した年(1984年)に料理講習会の折「トゥールダルジャンの鴨料理」試食会が企画されたのですが、会費が高く断念しました(価値をよく知らなかったためでもあります)。それとともに、この時の旅行参加者の中によほど「トゥールダルジャン」に行きたかったとみえてこの名前を何度も口にされていた高齢の男性も思い出します。
ところで、フランス料理はソースが決め手といってよいくらい重要な役割を果たしており、ソースには色や風味の異なるたくさんの種類があります。鴨料理のソースは少し甘かったのでリンゴソースかもしれません。デザートのケーキにもラズベリーのソースがたっぷり添えられていました。
どの料理も日本の盛り付けに特有の余白の美といった趣はなく、プレートいっぱいに料理が盛られていて、味だけでなく盛り付けも含めて重厚感いっぱいでした。
現在のフランス料理は1970年代に誕生したヌーベルキュイジーヌと呼ばれる新しいスタイルに変わっています。伝統的なフレンチの重厚さから脱却し、新鮮な素材の持ち味を重視したすっきりした風味が特徴で、盛り付けも大きな皿に食材を少量芸術的に盛りつける等日本料理の影響を受けたといわれています。
良し悪しは別として日本のフレンチとの落差に衝撃を受けた古典的なフランス料理でした。