フランスの食文化8(ブイヤベース)

 夕食は、魚介類が豊富なマルセイユならではの名物料理ブイヤベース。

 テレビのグルメ番組「SEIKOグルメワールド 世界食べちゃうぞ!!」で紹介されたレストランでした。

 この番組は、司会の関口宏が2人前後のゲストとともに現地で行なった食べ歩きロケを放映したもので1984年6月から約3年続きました。

 ブイヤベースは、魚介類と香味野菜をトマトベースで煮込んだ寄せ鍋風の料理で、フカヒレスープやトムヤムクンと共に世界三大スープと称されています。

 スープと魚が別々の器に盛って供され、まずクルトンを添えてスープを、次に魚介類をメイン料理としていただくのが一般的な食べ方だそうです。私達は、カリカリに焼いたフランスパンにアイオリソースを付けたものにスープをのせていただきました。魚介類や香味野菜から出る出汁とトマトの酸味の相性が良いスープです。

 ブイヤベースにはアイオリソースやルイユというソースを添えるのが定番です。

 アイオリソースは、「にんにく」を意味するフランス語の「アイ(ail)」と「オリーブ油」を意味する「オリ(oli)」を組み合わせたフランスのプロバンス地方で生まれたソースで、わかり易く言えば「にんにく入りマヨネーズ」、ルイユソースは、アイオリソースに唐辛子が入ったソースです。

キール・ロワイヤル」は、シャンパンとカシスリキュールのカクテルで「王のキール」という意味があります。キールというのは、これを作った人の名前を付したもので、白ワインとカシスリキュールを混ぜたカクテルで、ワインをシャンパンに変えたもの がキール・ロワイヤルで、格の上がったキールといったところでしょう。

 飲み物だけで100フランは痛い!と書いていますが、当時の為替レートでは1フラン約24円ですから2400円くらいになり、この時の旅行費用(2週間で約70万円、今はかなり安くなっていますが)から考えるとそんなに高くはないのですが、当時は飲み物にお金をかけることは少なかったのかもしれません。