ポルトガル料理1

 初めての海外旅行は1985年で、スペイン・ポルトガルを中心とする15日間の「南欧食品事情視察」の旅でした。食の研修とともに、各地の歴史的な遺跡や美術館を巡り、過去の栄光のスケールに驚愕の連続だったのですが、ここでは食の周辺に限定します。

                                                   

  ポルトガルは、大航海時代に世界を制し華々しい栄光の時代があったのも今は昔といった感じで、ひっそりした感じでした。

  日本に初めてヨーロッパからやってきたのがポルトガルで、鉄砲やキリスト教、世界地図、金平糖、カステラ、てんぷら等が伝来したことはよく知られています。

  現在はポルトガルに関する情報は少なく、特に料理については私の場合白紙に近い状態でした。

  ポルトガルの料理は鱈や鰯、タコやエビなど日本でもおなじみの魚介類が中心でコメをよく食べるといった共通点があり、日本人の口に合いやすいといわれていますが、2日間滞在しただけなので正直言ってポルトガル料理の特徴をつかめたとは思えません。昼食と夕食のみ紹介します。

 

 ポルトガルに着いた日、すなわち私にとっては海外で初めての食事です。

 自分が思い描いていた西洋料理のイメージが崩れた夕食でした。

 豚肉と浅蜊を組み合わせた炒め物は食べたことがなく、何だか間に合わせ料理のような気がしないでもないのですが、実は「カルネ・デ・ポルコ・ア・アレンテジャーナ」という名前のれっきとしたポルトガル料理で人気の定番料理なのだそう。豚肉と浅蜊の炒め物にコリアンダーを加えて作られることが多いようです。

 オードブル、スープ、メインディッシュだけでなくバターまで塩辛かったなんてコメントを残しているほど、全体が塩辛かったのです。この印象が強く(実は別の日も同じように塩辛かったせいもあり)ポルトガルといえば「塩辛い料理」の印象が強く焼き付いてしまいました。