スペイン料理5

 マヨルカ島での食事は魚介類のオンパレードでした。

 マドリードのバールで食べた時も感じたことですが、魚介料理をみてもスペイン料理はオリーブ抜きには語れないとつくづく思います。その9割をオリーブ油に加工するといわれ、デザート以外の料理にはほとんど使われていたような感じで、バター、牛乳の少ない料理に「ピレネーを超えるとヨーロッパでない」を食の面でも実感しました。マドリードからグラナダバレンシアバルセロナとバスの走行距離は1471キロに及びましたが、その間目にした風景は延々と続くオリーブ畑とブドウ畑でした。

 ところで、昼食時間は2時間40分。食事時間の長さはこの時に限りません。海外旅行は限られた日程の中で、いかに効率よく目的のものを見聞できるかが大事と思っていたので、初めての海外旅行(スペイン・ポルトガル・フランス・ベルギー)で昼食に多くの時間をとられることに始めのうちはやきもきしたものです。

 食事に要す時間は国によってかなり異なりますが、南欧では昼食に重きが置かれ時間も長い傾向がみられます。2016年度のOECDデータをみると、フランス、イタリア、スペインが長く、アメリカは短いことがわかります。ちなみに、海外旅行で最も長い食事時間は1986年ベルギーでの夕食で、最後の日だったせいもあり、トータル3時間。逆に短かったのは2012年ハワイ、オアフ島1日観光で寄ったエビの養殖場レストランでの30分です。

 食事時間の長短は、食生活の重視度や関心度にも左右されるのでしょうが、おしゃべり好きかどうかもそのバロメーターではないかという気がします。海外旅行中の交流タイムは食事中といってもいいくらいですから、決して無駄な時間ではないことがわかります。

 何かと忙しい現代人、会話を通してもっと食事時間を楽しんでみてもいいのかもしれません。