「シチュー」は肉・魚介類をソースで煮込んだ「煮込み料理」なのですが、私は長い間何となくとろみのある汁物のように位置づけていました。
実は、「シチュー」と「スープ」の線引きは曖昧で、大雑把にいえば材料を大きめに切ってルーで濃厚なとろみをつけた料理が「シチュー」、さらりとした口当たりのものが「スープ」。メインデイッシュとして出てきたら「シチュー」です。
日本でシチューといえば「ビーフシチュー」と「クリームシチュー」。
「ビーフシチュー」は牛肉と赤ワイン、デミグラスソースを使うので、家庭で作るにはちょっとハードルが高い気がします。
その点、「クリームシチュー」は材料も鶏肉を使うことが多く、野菜、牛乳、ブイヨン(スープの素を溶かす)だけで家庭向き、コーンを入れて「コーンクリームシチュー」にしたりカレー風味にしたり、残ったらシーフードを入れてクラムチャウダーにしてもよし、グラタンやドリアへのリメイクも可能というわけでバリエーションが広がります。
どちらのシチューも各メーカーから様々な「シチューの素」が出回リ、料理研究家こだわりのものまで参入するほど。これがあれば時短で一定レベルの美味しさのシチューが出来るのでお手軽な料理になったと思います。
A病院では何度か「選択食」があり、これはその時選んだ洋風朝食です。どちらかというとスープに近いシチューでした。
洋風朝食は2回経験しましたが、私の場合行き着いたのは「和」でした。
B病院の「クリームシチュー」はマカロニ入りで、スープとシチューの中間くらいの感じでした。
主食の「わかめご飯」に入っていたわかめの量はわずかでしたが、口に含んだ途端フーッと磯の香りが漂い、子供の頃よく食べた「わかめむすび」を思い出しました。「わかめむすび」は山口県の北浦地域(萩市や長門市)の郷土料理で、細かく刻んだ塩わかめをおにぎりの全面にまぶしたものです。広く出回っている「シソわかめ」を用いたものは、厳しい言い方ですが私の記憶の中では「似て非なるもの」です。決してシソわかめのおにぎりがまずいと言っているわけではありません。
「ビーフシチュー」にしては材料が小さめですが、温かく美味しい「ビーフシチュー」でした。
明日から10年に一度の大寒波に見舞われると報道されています。
こんな時こそ「シチュー」の出番です。