昆虫食

昨日「ハンバーグ」の付け足しで触れた「昆虫食」のことは蛇足だったかなと思っていたら、今朝4時からの「ラジオ深夜便」でテーマが「美味しい仕事人-食品ロスと食料危機に挑む-」と聞き、もしや「昆虫食」?と思ったらズバリ的中!

それまで感傷に浸って聴いていた戦後の歌はどこかに吹っ飛び、ガバと跳ね起き思わずメモをとりました。

感動の覚めやらぬうちにというわけで、予定していた「シチュー」を急遽「昆虫食」に変えた次第です。

アナウンサーの後藤繁栄氏(NHKの「今日の料理」も担当)の質問を徳島大学渡邊崇人先生が答えられる形で話は進みました。

メモの不足分はネット情報で補い、インタビューの流れに沿って概要をまとめてみます。

渡邊先生は2019年に徳島大学ベンチャー企業「(株)グリラス」を創業され、食品ロスのエサで飼育したコオロギをパウダーやエキス等に加工し1年後には「コオロギせんべい(無印良品との共同開発)」を商品化されています。国際線機内食の原材料としての納品、学校給食事業にも参入等将来性を感じました。

「なぜこの分野に?」の問いに対して

基礎研究は役に立っても成果が見えにくいことから、「昆虫」を新たなタンパク源として使う研究に軸足を移されたとのこと。長期にわたる基礎研究があってこそ可能なのだと思います。

「では、なぜコオロギ?」に対しては

既存のタンパク源に比べて環境負荷が低いのがポイントで、例えば、1㎏のたんぱく質を得るのに、コオロギは1.7㎏のエサですむところ、牛では10㎏必要とのこと。また、雑食性ゆえ食品ロスの活用にも有効で「循環型食品」の構築を前面に押し出したいと語られました。

栄養面では高機能のたんぱく質であること、味については育て方にもよるがエビやカニのような風味があるそうです。美味しいものへの関心は、先生の実家が飲食店を経営されていることとも関係があり、どうせなら「うまい!」と感情が動くようなコオロギ食品にしたいと語られました。

「コオロギ事業」の発展について

大量生産の体制を整えること。

「昆虫食」を違和感なく、当たり前と思って食べられるようにしたい。

世界の食料問題解決のためにも海外へ拡充したい。食品ロスさえ出ない貧困地域で、本当に困っている人々に届けられるようにしたい。

等沢山の思いが語られ深い感動を覚えました。

以前、「VESTA」という食文化誌に「昆虫食」が特集として組まれ、当時はとても違和感を覚え遠い先の話だと思っていました。このところやたら「昆虫食」を耳にするようになり、ウクライナとロシアの戦争に端を発した食料問題が深刻になったこととも背景にあるのだろうくらいの認識でしたが、将来の食料危機を見据えて「昆虫食」の実用化に向け研究が着々と進められていたことを知り、応援したい気持ちでいっぱいになりました。

「昆虫入りハンバーグ」も現実味を帯びてきた感じです。