西安と敦煌の旅は食物研修の旅というよりは、世界遺産に指定された兵馬俑坑をはじめ砂漠の大画廊莫高窟など、ドラマを秘めた史跡の数々を巡る旅という色彩が強い旅だったように思います。これまで訪れた中国では「食」に関してその地ならではの名物料理や特徴をそれなりに思い浮かべることが出来るのに、西安・敦煌での「食」に関しては印象が薄く、せいぜい魚料理が少ないとか、西安では餃子、敦煌ではラクダの肉を食べたことくらいしか思いだせないのです。料理がまずいとか貧弱というのではなく、何となく特徴がつかみにくいといった類のものです。
世界各地の「食」を巡るブログの最後が西安・敦煌になったのは、この地の「食」に関して私自身の思いが薄かったため後回しになったともいえます。
たった数日の食体験で判断するのはいささか乱暴な気はしますが、かつて王朝が置かれていた西安もシルクロードの分岐点である敦煌も、人々の交流によってもたらされた様々な料理があって、それが特徴を見えにくくしているということではなかろうかと思っているところです。
2022年4月30日から始めた「海外旅行中の料理イラストを通してみる世界の食文化」は、今回でとりあえず終わり、次回の総括で今後のことに少し触れたいと思います。