福建省の食文化5(製茶工場見学2)

 バスの遅れで、全工程を見学するだけの時間が足りなかったため、夕食後(9時半頃)、昼間見学した工場の中の別の工場で、続きを見学することになりました。

       

 室内萎凋させた茶葉の周辺をこすり合わせて、傷をつけることによって発酵を促進させます(揺青)。昔は竹かごに入れた茶葉を揺らしていましたが、現在はドラム状の中に茶葉を入れ、葉の周辺が赤褐変化し中央部が緑色の半発酵状態になるまで回転させます。

      

 回転発酵させた茶葉を釜で炒り、発酵の活性を止めます(殺青)。中国浙江省龍井茶(釜炒り緑茶)も釜で炒っていました。大規模工場では、コンクリートミキサー状の炒葉機を用いるそうです。

 その後、茶葉を揉捻機もしくは両手で挟みこすって茶葉の形を整えてゆきます(揉捻)。茶葉を揉むことにより、味と香りを引き出し、茶の成分を抽出し易くします。

       

 発酵を完全に止めて青臭味を取り除き、保存性をよくするために乾燥させます。

 加熱工程や乾燥などで生じた粉や摘採時に茶葉についていた茎などを取り除いて製品化します。茎を取り除くのは手作業で、手間を考えると葉だけ摘めばよい気がしますが、それでは加工中形が崩れて製品化できないそうで、烏龍茶ができるまでには結構手がかかることがわかります。