福建省の食文化6(お茶会席)

 武夷山荘の名物料理お茶会席ですが、お茶を用いた料理は3種類のみです。

 前菜に出た鶏の足は広東省や四川でも出ました。中国では一般的なのでしょう。

 イラストには描いていないのですが、スペアリブに正山小種(ラプサン・スーチョン)という武夷山で生産される紅茶が用いられていました。正山小種は茶葉を松葉で燻して着香したもので、癖のある燻香は好みのわかれるところ、イギリス人には好まれるそうですが私は苦手な香りです。初めて味わったとき「薬!」と思ったほど。

 ヘビやカエルも抵抗なく食べられるようになりました。

 茶汁で練りこんだヌードル、田ウナギの千切りを野菜と一緒に炒めた料理、キヌガサタケのスープ、ハトのいぶし焼き等の珍しい料理、それに絹ごし豆腐を星型に抜くといった手の込んだ料理が並びました。絹ごし豆腐のような柔らかい豆腐を中国で食べたのは初めてだったような気がします。

 ここでは茶汁でこねた餅で餡を包んだ点心が主役です。白きくらげのデザートは中国でよく出てきます。ミニトマトは、フルーツとしての扱いのようです。スイカミニトマトの盛り合わせというのもそのうち出てきます。