広東料理1(プロローグ)

                                     

 海外旅行中、料理面で裏切られることのなかったのは中国。国土が広く地域による気候風土が異なるため、採れる食材も食べ物の味もかなり異なり、中国で食事するたびに「えっ、こんな料理もあるの?」とその多様さに圧倒され、かなわないなあと思うことが度々でした。

 中国国土を東西南北4つに分けた「北京・四川・上海・広東」料理は「4大中国料理」と呼ばれ、それぞれ特徴のある食文化を形成しています。

 まずは広東料理から入りますが、位置と特徴をみておきます

         

 広東省は中国の南の方に位置し、海、山、川、湖など自然に恵まれた地形で、気候も比較的温暖。「食在広州(食は広州にあり)」といわれるほど食材に恵まれ(フカヒレやアワビ、干しナマコ、ツバメの巣などの名産地としても知られています)、素材の味を活かしたマイルドな味わいのものが多く、また沿岸部には貿易港が点在していたことから、調理法や味付けも西洋の影響を受けているものが多いという特徴があります。

 日本でおなじみの料理が多いのです(飲茶も広東生まれ)が、旅行中は初めて食べるものが多かったです。