和風汁物2

具沢山の汁物が一品あれば、一汁一菜で充分満たされた食事になります。

一昨年の秋、味噌汁をウリにしている博多の「みそ汁おとら」という店で食べた「味噌汁セット」(もしかしたら「おとらセット」だったかもしれません)は大ぶりに切った数種の根菜類や肉、こんにゃく等の具材がごろごろと入った汁物と玄米おにぎり、それに小鉢の組み合わせ、ほっこりした味わいで心が満たされました。

今回は、具沢山の和風汁物の中から病院で出たものを3つ選びました。

「のっぺい汁」は里芋、人参、こんにゃく、椎茸等をだし汁で煮て醤油・塩で調味し片栗粉でとろみをつけた汁物です。日本各地で見られますが、地域によって材料やとろみ加減は異なります。鶏肉や鮭等の動物性食品を入れることもあります。

奇しくも、今朝NHKのBSPで見た昔の連続テレビドラマ「本日も晴天なり」の中で、主人公の妹がテレビの料理番組の講師として「のっぺい汁」について説明している場面がありました。「和風野菜シチューのようなもの」とか、ストーブや練炭にかけっぱなしできるので「ながら料理」とか、時代を彷彿とさせるセリフが流れ、当時、料理番組で取り上げるのは珍しい料理だつたのかしらと思いました。

主菜の「豚肉のマスタード炒め」2回目です。

「けんちん汁」は大根、人参、ゴボウ、里芋等の根菜類やこんにゃく、豆腐を炒めて煮込み、醤油で味を整えた汁物です。精進料理なのでだし汁も昆布や椎茸でとることが多く基本的に動物性食品は使いません。

主菜は「鶏肉の幽庵焼き」。幽庵焼きというのは、「幽庵地」という調味液に魚や鶏肉を漬けて焼いたものです。「幽庵地」は酒、醤油、みりんを同割りで混ぜた中に柚子やスダチ等の輪切りを加えたタレです。

この「豚汁」は小さくきった材料が入っています。「みそ汁おとら」での食事以来、すっかり病みつきになり、大ぶりに切った根菜類と豚バラの塊を入れて作るようになりました。同じ料理を続けて食べたくない私ですが、この汁だけは例外です。豚を鶏に変えて「さつま汁」にしたり、粕を加えて「粕汁」にすることもあります。

このブログを献立の参考にしている方もおられます。

大根、人参、ゴボウ、里芋、さつま芋、ジャガイモ、こんにゃく等、この中で3、4種類くらいのストックがあれば、ご飯と小鉢、お漬け物で今晩は何とかなると思いますよ。