モンゴルの食文化2(モンゴル1日目の夕食)

 モンゴルへは北京経由(北京へ一泊)で入りました。ウランバートルの空港に着陸した時の第一印象は「大草原の小さな空港」。びっくりしたのは天井の2本並列の蛍光灯、1本が故障して点滅しているにもかかわらず修理もされず、天井も数か所剥がれ落ち天井裏がむき出しで今にも落ちてきそうな感じで、これが首都の国際空港かと目を疑いました。

 もっとも、当時は中国も似たようなもので、北京空港の中の草を人が鎌で刈っている姿を目にしましたし、印象的だったのは、王府井街という日本でいえば銀座に相当するような所でも壊れかかった古い家が建ち並び、おねしょの跡が見える煎餅布団を干してあったことです。その後の中国の発展ぶりをみると隔世の感があります。

 空港からオンボロ車に分乗して1992年にできたというジンギスカン村へ入り、ツーリストキャンプのゲルに泊まり、モンゴル滞在中はここを基点に行動しました。

 北京で11種類にも上る美味しい中国料理を味わってきた後の、モンゴルでの夕食は寂しいものでした。

 献立構成はメインディッシュ、サラダ、パン、飲み物、デザートと一応西洋料理の体を成していますが、料理というより素材を並べたもの。牛肉は茹でただけ、サラダはトマトときゅうりを切って並べただけ。パン、コーヒーは御覧の通り。フルーツに至ってはデルモンテのフルーツミックス缶詰を器に移したものでした。

 芯のあるご飯の呼び方が地方により異なることを知ったのはこの時です。私は「ゴッチン」と呼んでいたのですが、新潟出身の方は「メッコ」、広島の方は「ホッチ」と呼ばれ、調べてみたら、確かにどの呼び方も存在していました。いろいろな呼び方があるということは日本人がいかにご飯の硬軟にこだわっているかの表れでもあるのでしょう。

 こんな感じの食事が続くのかという不安は現実のものになりましたが、1週間近くの滞在で、これらの食事はツーリスト向けに、それなりに配慮された食事ではないかと思えるようになりました。乞うご期待!