広東料理6

 毎回おいしく珍しい料理の連続でしたが、特に広州での夕食は旅の最後を飾るにふさわしいものでした。

 子豚の丸焼きは、北京ダックと同様皮だけを食べる広東の贅沢な名物料理。

 日本で焼き豚と呼んでいる叉焼(チャーシュー)も広東省の伝統料理です。

 広州人はスープへのこだわりが大きいというだけあって、この時は2種類出ました。水と具材を加熱し濾したスープと、水と具を入れた容器を蒸し器で蒸した(壺蒸し)スープです。前者の場合、長時間煮込むことで具の旨味はすべてスープに抽出されているので、具を入れずスープだけ出されることがあり、その場合具は別途皿に盛られて供されます(食べてもよいのですが出し殻ですから、、、)。「これだけの材料を使ったスープです」というアピールでもあるのでしょうが、たくさんの材料が用いられているので、それを見せるのもおいしさのうちという気はします。以前(2023年1月18日)書いた「我が家からコンソメスープが消えた日」のことからも、液体のスープだけでは何だか有難味が薄れるような気がしてなりません。

中国では、スープは一般に食事の最後の方に出されるのですが、広州では早めに出されるというのは広州人のスープに対するこだわりの表れなのでしょう。西洋料理もスープは前菜の後ですよね。

 カスタード入りのお餅みたいな点心、「死ぬほどおいしい」なんてべた褒めをしています。よほど感激したのだと思いますが、我ながらちょっとオーバーな表現だなあと恥ずかしくなります。