福建省の食文化12(エピローグ)

 福建省の旅行で記憶に残っていたのは武夷山の大紅袍と佛跳牆くらいで、あまり書くことはないなあと思っていたのですが、Nさんの記録のおかげで様々なことが思い出され、他の省に匹敵するボリュームになりました。記録は大事とあらためて思います。

 福建料理は中国八大料理の一つに挙げられていますが、香辛料を多用したり、様々な調味料を組み合わせたりといった味ではなく比較的あっさりとした淡白で素朴な料理が多かったような気がします。

 ところで、福建といえば、就職して間もない頃(50数年前)、今も福岡にある老舗福建料理店の方に何回か教えに来ていただいたことがあり、その時聞いた「ちゃんぽん」の語源は福建語で食事を意味する「シャンポン(喰飯)」だというものでしたが、調べてみたら諸説あるようです。

 なお、ちゃんぽんが考案されたきっかけは貧しい中国人留学生に、安くて栄養のあるものを食べさせたいと考えた料理人が、一つの料理で沢山の具材を食べることができるように工夫したというものです。

「ちゃんぽん」は様々なものが混ざるという意味が示すように、野菜、魚介類等の具がバランスよくたくさん入っているので、個人的にはラーメンよりは断然食べる機会の多い麺料理です。

 最後はちゃんぽんで締めくくってしまい、いささか尻切れトンボのような気がしないでもありませんが、発祥の地長崎のちゃんぽんは福建料理がベースということで何とか辻褄を合わせたような気がしないでもありません。

 

 次回からフランスに移ります。