モンゴルの食文化4(白い食べ物2-ウルム―)

 ウルムも馬乳酒と同様、モンゴルでしか味わえない乳製品です。

 大鍋に牛乳を入れて加熱し、煮立ってきたら弱火にして柄杓で乳を掬って高いところから落とすという動作を何度も繰り返していると表面に細かい泡がたくさんでき、それを一日放置しておくと表面が泡のまま固まってきます。出来上がった表皮を鍋の上で半分に折って取り出すと脂肪分をたっぷり含んだウルムの出来上がり。表面は乾燥、中はとろっとした状態でクリームに近い状態です。そのまま食べてもよし、パンに塗ったりお茶に浮かして溶かしたりと食べ方も様々、バターの原料にもなるそうで、乳製品でつくるクリーム状のバターのようなものと表現する人もいます。

 外国の食べ物はたいてい何でも味わえる日本でも、これは手に入れることのできない草原の逸品という気がします。

 ウルムを作っている写真です。

 もう少し高いところから落としているところをとればよかったのにと思いますが、当時はフイルムを無駄にしないよう写真も厳選して撮っていたようで、シャッターチャンスが悪かったのか現像してみたらこんな写真しかなかったというわけです。今なら、パシャパシャと撮りまくってすぐに確かめ選り分けることが出来るのでこんな失敗は少なくなりました。