スペイン料理7(終わりに)

 かつては香辛料を求めて探検家が活躍し、世界の地図を塗り替えるほどの歴史を持ち、現在も香辛料の産地でありながら、自国での消費はわずかということでした。数あるスペイン料理の中からほんの一端に触れたにすぎないこの旅でも、ニンニク、パセリが主でたまにサフラン、パプリカなど淡白なものが使われているにすぎず、そのためか材料の持ち味を活かし、複雑な技巧を用いず概して素朴な料理が多かったような気がします。

 当時の海外研修記に「オリーブとサフランに彩られるスペインの食文化」と題して次のように記しています。「ガイドの話でも、いわゆる花嫁学校的な料理学校といったものはほとんどなく、学校教育の中でも食教育は十分になされておらず、料理は専ら親から子へと伝統が守り伝えられているということであった。スペインの街並みと同様、料理においても中世がそのまま残っているような気がして、伝承されにくくなっている日本の食生活の現状に思いを馳せ、自分に課せられた役割を今一度考えさせられる旅でもあった」と。これ38年前のことですから、今はスペインも様変わりしているに違いありません。

 スペインの食は今どんな状況なのか、チャットGPTに聞いてみたらどんな答えが返ってくるのでしょうか。

 

 次回からはスペインが植民地支配し、食の面でもつながりのあるペルーに飛びます。