イタリア料理11-エピローグ-

 いくらか書き残したことはありますが、イタリア料理も今回が最後になりました。最後を締めくくるような内容ではないのですが、単に最後というだけで最初のプロローグに対してエピローグというサブタイトルにしました。

 

 ヴェローナはローマやヴェネチア、フィレンツエほど有名ではないものの、中世の街並みが残っていて街全体が世界遺産といっていいほどの観光スポット。当然観光はしましたが、食文化ツアーよろしくコメ農家の見学も入りました。ヨーロッパではコメの種類はインディカ種が主だと思っていたので、イタリアの米の80%がジャポニカ種だと聞き、とても意外でした。

 日本からコメ農家見学というのはニュースバリューがあるのか、組合長さん、新聞記者、テレビ局などの人も来ていて、説明・見学の後、米粉のパンや菓子、リゾットなどを試食し、お土産にコメ3kgといった歓待ぶりでした。

 食後は「ロミオとジュリエット」の舞台を見学しました。日本ではこちらの方が有名ですね。

 

 下のプディングのイラストは、スプーンがカスタードプディングに刺さった状態で供されたことにびっくりして描いたのだと思います。

 

 実は同じものをスペインでも目にしていました。この時も「おや?」と思ったのでしょうね。スプーンを刺して運べるということは、あまり柔らかいプリンではなかったのかもしれません。

 

 パリのレストランでバターにナイフが突き刺さって出てきたときは度肝を抜かれました。これを食文化研究会の方に話したら、自分も同じものを見たことがあるといわれたので特殊なことではないのかもしれません。

 

 カトラリーを食品に突き刺して出すのが一般的だとは思わないのですが、少なくともタブーではなさそうです。

 日本では、食べ物にスプーンや箸を突き刺すのは不作法とされています(特に、ご飯に箸を突き刺すことは「立て箸」とか「仏箸」といって忌み嫌われます)が、そうでない国もあるのだと教えてくれた事例です。

 スペインのプディングは1986年、パリのバターは1988年、イタリアのプディングは1994年。

 実はこれらの記録、長い間しまい込んでいて内容をすっかり忘れていたのですが、ある時、何気なく眺めていたら「同じ」であることに気づいたのです。記録しておくことって大事とつくづく思います。

 

 「スプーンが突き刺さったプディング」つながりで、4月からスペイン(ポルトガルも)にバトンタッチします。

 

 明日から「宮古島」へ旅しますので、もしかしたら写真をお目にかけるかもしれません。