ベトナムの食文化4(宮廷料理、春巻き)

 知人の紹介で行ったベトナムの宮廷料理。

 宮廷料理は約150年にわたってベトナムを統治したグエン王朝時代に歴代皇帝が愛した料理で、こだわりは見た目の美しさ。古都フエはベトナム中部の都市で、この地は豊かな南部に比べ食材が限られているため、いかに美しく盛り付けるかが大きな特徴といわれており、ネットで見た宮廷料理は野菜などに細かな細工が施され、見た目もとても華やかです。

 私達が食べた宮廷料理はそこまでのものではなかったのですが、それでもまず感じたことは盛り付けの美しさでした。

 春巻きもハムも放射状にきれいに並べられ、皿の中央にはトマトで細工した花が飾られていました。

 海老入りのタピオカでんぷん蒸しは、透明なタピオカを通して見えるエビが何とも美しい!

  左の料理はバインセオと思いますが、盛り付けや食材は昼食で出たものとは幾分異なります。

  生春巻きは、ライスペーパーで肉や野菜を自分で包んで食べるタイプです。

 一口に春巻きといっても、春巻きの皮も包む具もバリエーションが豊かです。

 左の春巻きはライスペーパーではなく、葉で麺とエビを包んだもので、皿の真中には大根と人参で鶏の形に細工したものがさりげなく飾られています。

 もう一つの春巻きは、パリッと焼いたライスペーパーで包むタイプで、皮の食感と香りも楽しめます。包む中具は一見地味な浅蜊と香草ですが、これだけの浅蜊の実を殻から取り出す手間を考えると、宮廷料理ならではという気もします。

 デザート類は次回。