ベトナムの食文化5(宮廷料理2、バラ彫りスイカ)

 前回、ベトナムの宮廷料理は見た目の美しさが特徴と書きました。

 その象徴ともいえるのがバラ細工のスイカでした。

 ベトナムの料理で真っ先に思い出すものは?と問われてすぐに頭に浮かぶのはバラ彫りスイカ。出てきたとき一斉に「おー!」と思わず感嘆の声が上がったほど強烈なインパクトがありました。半分に切っただけならただのスイカ。食べるのがためらわれるほどの芸術作品にまで高められたスイカはさすが宮廷料理を締めくくるにふさわしいものでした。味は変わらないのですけどね。

 スイカインパクトが強すぎて他の物はほとんど忘れていたのですが、寒天やクリアガーで作ったデザートもフルーツの盛り付けも手が込んでいます。

 ヌードルはレモングラスの香りと酸味のすっきりとした味わいで食欲が進みました。