チェコ・ポーランドの旅5(リディチェ村、聖キリルと聖メトディウス教会)

 3日目の午前中はナチスによる惨劇の地「リディチェ村」と「聖キリルと聖メトディウス教会」を訪れました。どちらもハイドリヒの暗殺がもとで負の遺産になったものです。

 ホロコーストナチスというとヒトラーの名前が挙がりますが、そのヒトラーでさえも恐れたのが冷徹で極悪非道なハイドリヒだともいわれており、暗殺という形で人生の幕を閉じた後もナチス政府の報復で更なる悲劇を生んだのです。

 暗殺実行者7人はこの教会の地下に隠れましたが、ナチの追及は苛烈を極め800人ものナチ部隊が突入して全員を惨殺し、匿った司祭も処刑されたといいます。壁には無数の銃弾の跡が残り、地下には7人の像や写真が展示されており、70年余を経た今でも当時の様子を生々しく思いおこさせます。

 報復は更に続きました。暗殺者を匿ったという疑惑だけで、リディチェ村では成人男子全員が銃殺され、女性や子供は強制収容所へ送られて村全体が完全に破壊され文字通り地図から消滅したのです。総勢1万3千人の虐殺劇だったといいます。こんな惨劇があったことが想像できないくらい、現在は美しく管理されており追悼碑などがなければゴルフ場かと見紛うほどでした。

 アーリア人の特徴(青い目で、金髪の髪)を備えている子供はドイツ人の子供として育てられ、長じて事実を知ることになった時の話もあまりの痛ましさに胸が痛みます。ロシアに連れ去られてロシア人の家庭で育てられているウクライナの子どものことが重なり、いつまでも尾を引く戦争の残酷さには心が疼きます。

 昼食はアールヌーボー建築で有名なプラハの市民会館で摂りました。 

 ローストビーフの付け合わせはここでもクネドリーキ

 サラダの量の多さに圧倒されました。