チェコ・ポーランドの旅13(白貂を抱く女、シンドラー博物館等)

 午後、国立美術館レオナルド・ダ・ヴィンチ作「白貂を抱く女」を鑑賞しました。この旅行に参加するまで私はこの絵の存在すら知らなかったのですが、ダ・ヴィンチが描いたとされる女性肖像画4点のうちの1点だそうです。モデルはミラノ公ルドヴィーコの愛妾(当時17歳)で、ルドヴィーコが白貂の勲章を受勲していたため大切な人に白貂を抱かせたとの説明を受けました。

 実は、国立博物館に行くのはこの絵以外にいろいろなものを見るのだと思っていたので、この絵だけのためと知ってびっくりしたのですが、実物を見た瞬間息をのむほどの感動を覚えました。素敵なものを一つだけ心をこめて鑑賞するなんて贅沢な時間だったなあと思います。

          

 その後、かつてのユダヤ人街カジミエシュ地区へ移動し、シナゴーグや墓地、映画「シンドラーのリスト」の撮影に使われた場所などを訪れました。

 映画「シンドラーのリスト」はユダヤ人の大量虐殺が進む中、ユダヤ人の命を救う為に立ち上がったナチス党員の実業家オスカー・シンドラーの実話を描いたものです。もともとシンドラーは戦乱に乗じて事業を拡大しようと、クラクフの潰れた工場を買い取って琺瑯(ホーロー)容器工場を開設し、「安価な労働力」としてゲットーのユダヤ人を雇い入れ、ss の将校に取り入って自らの事業を拡大させていきましたが、残酷で理不尽な現実を目の当たりにし、ユダヤ人達を救う為に行動が変化し、自身が経営する工場に必要な生産力という名目でシンドラーのリストを作り、1200人以上ものポーランドユダヤ人の絶滅収容所送りを阻止し救ったのです。

 シンドラー博物館には、再現されたシンドラー執務室、琺瑯容器を積み重ねたアート、ナチス占領下のクラクフの生活全般がわかる展示等映画の場面が思いおこされとても身近に感じました。