チェコ・ポーランドの旅16(ナチス・ドイツの強制収容所)

 この旅も終盤に近づき、いよいよ強制収容所の見学です。

 私は、アウシュヴィッツはドイツにあるのだと思っていました。アウシュヴィッツは最大の強制収容所だったというので、他と比較するためナチス・ドイツ強制収容所一覧をwikipediaで調べてみたらなんと51か所、しかもほぼヨーロッパ全域(ドイツ17か所、ポーランド11、ノルウエー4、オランダ3、フランス・エストニアラトビア・イタリア各2、ベルギー・リトアニアクロアチアウクライナベラルーシオーストリアチェコチャネル諸島各1)に亘っています。こんなにもあったのかとびっくりでした。

 その中から囚人や死者数の多いものをピックアップしてみました。

収容所名

収容所の種類

囚人の概数

死者の概数

アウシュヴィッツ

ビルケナウ

ポーランド

絶滅・労働収容所

400,000

1,100,000–1,500,000

ソビボル

ポーランド

絶滅収容所

 

250,000

グロース・ローゼン

ポーランド

労働収容所

125,000

40,000

トレブリンカ

ポーランド

絶滅収容所

 

870,000

シュトゥットホーフ

ポーランド

労働収容所

110,000

65,000

ワルシャワ

ポーランド

労働兼絶滅収容所

40,000以上

20,000以上

クラクフ・プワシュフ

ポーランド

労働収容所

最低150,000

最低 9,000

ベウジェツ

ポーランド

絶滅収容所

 

600,000

ヘウムノ

ポーランド

絶滅収容所

 

320,000

マイダネク

ポーランド

絶滅収容所

 

360,000

ブーヘンヴァルト

ドイツ

労働収容所

250,000

56,000

ダッハウ

ドイツ

労働収容所

200,000

31,591

ザクセンハウゼン

ドイツ

労働収容所

最低200,000

(100,000)

ラーフェンスブリュック

ドイツ

女性用労働収容所

150,000

最低90000

フロッセンビュルク

ドイツ

労働収容所

最低100,000

30,000

ノイエンガンメ

ドイツ

労働収容所

106,000

55,000

ヤセノヴァツ

クロアチア

絶滅収容所

 

600,000-700,000

マウトハウゼン

オーストリア

労働収容所

195,000

最低95,000

テレージンシュタット

チェコ共和国

一時収容所兼ゲットー

140,000

35,000

 一覧表を見て気づくことは、絶滅収容所が多いのは圧倒的にポーランドで、死者の数も群を抜いています。ドイツにあるのは労働収容所。自国で絶滅収容所を作るのはさすがにできなかったのでしょうか。

 アンネの日記で知られるアンネ・フランクアウシュヴィッツへ送られ、その後移送されたベルゲン・ベルゼン収容所で飢えとチフスで亡くなっています。

 以前紹介したコルチャック先生はトレブリンカ収容所です。

 アウシュヴィッツ強制収容所の代名詞みたいになっている理由が、この数値を見ても納得できます。戦争が生み出した狂気を目の当たりにできる貴重な場所アウシュヴィッツについては次回に回します。