この旅も終盤に近づき、いよいよ強制収容所の見学です。
私は、アウシュヴィッツはドイツにあるのだと思っていました。アウシュヴィッツは最大の強制収容所だったというので、他と比較するためナチス・ドイツの強制収容所一覧をwikipediaで調べてみたらなんと51か所、しかもほぼヨーロッパ全域(ドイツ17か所、ポーランド11、ノルウエー4、オランダ3、フランス・エストニア・ラトビア・イタリア各2、ベルギー・リトアニア・クロアチア・ウクライナ・ベラルーシ・オーストリア・チェコ・チャネル諸島各1)に亘っています。こんなにもあったのかとびっくりでした。
その中から囚人や死者数の多いものをピックアップしてみました。
収容所名 |
国 |
収容所の種類 |
囚人の概数 |
死者の概数 |
ビルケナウ |
絶滅・労働収容所 |
400,000 |
1,100,000–1,500,000 |
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ソビボル |
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250,000 |
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グロース・ローゼン |
労働収容所 |
125,000 |
40,000 |
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トレブリンカ |
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870,000 |
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シュトゥットホーフ |
労働収容所 |
110,000 |
65,000 |
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労働兼絶滅収容所 |
40,000以上 |
20,000以上 |
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クラクフ・プワシュフ |
労働収容所 |
最低150,000 |
最低 9,000 |
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ベウジェツ |
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600,000 |
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ヘウムノ |
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320,000 |
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マイダネク |
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360,000 |
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ブーヘンヴァルト |
ドイツ |
労働収容所 |
250,000 |
56,000 |
ドイツ |
労働収容所 |
200,000 |
31,591 |
|
ドイツ |
労働収容所 |
最低200,000 |
(100,000) |
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ラーフェンスブリュック |
ドイツ |
女性用労働収容所 |
150,000 |
最低90000 |
フロッセンビュルク |
ドイツ |
労働収容所 |
最低100,000 |
30,000 |
ノイエンガンメ |
ドイツ |
労働収容所 |
106,000 |
55,000 |
ヤセノヴァツ |
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600,000-700,000 |
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マウトハウゼン |
労働収容所 |
195,000 |
最低95,000 |
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テレージンシュタット |
一時収容所兼ゲットー |
140,000 |
35,000 |
一覧表を見て気づくことは、絶滅収容所が多いのは圧倒的にポーランドで、死者の数も群を抜いています。ドイツにあるのは労働収容所。自国で絶滅収容所を作るのはさすがにできなかったのでしょうか。
アンネの日記で知られるアンネ・フランクはアウシュヴィッツへ送られ、その後移送されたベルゲン・ベルゼン収容所で飢えとチフスで亡くなっています。
以前紹介したコルチャック先生はトレブリンカ収容所です。
アウシュヴィッツが強制収容所の代名詞みたいになっている理由が、この数値を見ても納得できます。戦争が生み出した狂気を目の当たりにできる貴重な場所アウシュヴィッツについては次回に回します。