正月料理最後の食事です。
11月25日に「意外な献立-天ぷら-」と題してA病院の料理を取り上げたのは、天ぷらが出ることはもうないだろうと思っていたからです。正月とはいえ意外でした。
天つゆ?それとも抹茶塩?と思っていたらどちらも無し。一瞬、調味料忘れられたのでは?と思ったのですが、食べてみたら味付きの衣をつけた「長崎天ぷら」でした。大学生になるまで天ぷらというのは衣に味が付いているものだと思い込んでいたので、一口食べた途端思わず子供の頃にタイムスリップしました。
「なます」は大根と柿を使ったもの。
3日間の正月料理はこれで締めくくりです。
ところで、天ぷらの敷紙をよく見ると何と「松竹梅」の模様ではありませんか。
「松竹梅」は3つの等級に使われ、松は「特上」竹は「上」梅は「並」と位置づけられていますが、この敷紙では梅が幅をきかせていて松と竹(笹)がどこにあるのかわからないくらいです。
せっかくですので「松竹梅」の縁起について簡単に付記します。
松と竹は寒い季節でも緑を保ち、梅は花を咲かせることから中国では「歳寒三友(さいかんのさんゆう)」といって讃えられてきました。これが日本に伝わり、樹木の性質から松は「不老長寿」、竹は「子孫繁栄」、梅は「気高さ」や「長寿」のシンボルとなったようです。
敷紙にまで心を配って下さるなんて、3日間のお正月料理、お見事!というしかありません。