韓定食2‐2

 2枚目のシールには高級感漂う料理が並んでいます。日本では高価なマツタケも!

 九節板(クジョルパン)は代表的な宮廷料理のひとつです。

 八角形に仕切られた器には調理して細切りにした海の幸、山の幸が8種類、中央の器には薄いクレープ状のものが入っており、それで具を数種類巻いて食べる料理です。

 韓国料理は五味(甘、辛、酸、苦、塩)、五色(赤、緑、黄、白、黒)をバランスよく料理に取り入れますが、典型的な五色が入った九節板はいかにも韓国といった感じです。

 ウナギをかば焼きにするのは日本だけと思い込んでいたので、韓国で出てきたときは意外でした。

 ウナギの料理は世界各国様々です。北欧の燻製、スペインのウナギの稚魚の「アヒージョ」、イギリスの伝統料理「ゼリー寄せ」、フランスの赤ワイン煮込み「マトロット」はよく知られていますが食べたことはありません。

 スペインで食べた、ニンニクと鷹の爪と共に炒めたウナギの稚魚は、触感がコリっとしてウナギを食べている感じはなかったです。

 韓国の刺身はヒラメやタイなどの白身が多いようです。ワサビ醤油のほか、酢コチュジャンを付けたりサンチュ、エゴマの葉などに包んで食べるのは日本と異なる点です。

 

 

韓定食2‐1

 これは、料理展覧会で金賞を取得したレストランの韓定食。宮廷風ですべてが感動物でした。

姉妹校の伝統調理科の先生が連れて行って下さいました。

 シール4枚に描いていますが、それぞれに韓国料理の特徴がよく出ていますので1枚ずつ紹介します。

 初めに出たのは数種のキムチとあえ物(ナムル)で、品よく盛り付けられていました。

 ボッサムキムチは白菜で海鮮や果物、野菜、ナツメ、松の実等を贅沢に包んだキムチで、「キムチの王様」とも呼ばれ、お祝いの席など特別な日に食卓に並びます。様々な食材の旨味がギュッと詰まった奥深い味わいです。韓国ではいろいろなキムチをいただきましたが、ボッサムキムチはこの時だけです。

 水キムチは野菜や果物を乳酸発酵させたもので、ニンニクや唐辛子は使わず、水分たっぷりの辛くないキムチで、漬け汁ごと味わいます。さっぱりしておいしいキムチです。

 ボッサムキムチも水キムチも昔は宮廷料理で出されていたそうで、「キムチ博物館」では様々なキムチを見ることが出来ますから、見学をお勧めします。

 トラジは桔梗の根のことでナムルやキムチに使うことが多いです。

 ムクはでんぷんを固めたゼリー状の食品で、どんぐりの根で作ったトトリムクが有名です。これを初めて食べたとき、見た目ゴマ豆腐かと思いました。

 トラジもムクも韓国特有のもので、この1枚のシールに収まっている料理だけでも韓国を感じます。

 

 

韓定食1

            

 最も近い隣国[韓国]の食、共通点もありますが、違いの方が多く料理面では興味深い国です。

 料理イラストを通して、韓国料理の特徴の一端に触れ、日本と比較してみます。

 韓国で最も驚いたのは料理の品数の多さでした。皿数では韓国がトップで、中国、台湾、ベトナムインドネシアと続き、料理数が多いのは概してアジアです。

 韓国では、人をもてなすのに「お膳の足が折れるほどの料理」を出すといわれるくらいで、皿数の多さは「韓定食」を見れば一目瞭然です。

 「韓定食」は、フランス等のコース料理と異なり、一度にたくさんの料理が並びます。

 一口に「韓定食」といっても値段も料理内容も随分異なりますので、私が経験したものをいくつか紹介します。

 これは、1990年に学生の韓国研修旅行引率の時、懇親会で出た韓定食です。

 キムチ、ナムル、汁物のほか、生もの、炒め物、焼き物、揚げ物など多彩です。

 大学視察旅行の懇親の席でも同じパターンの「韓定食」をいただきました。

 懇親会とはいえ、公的な席ですから目立たないようにメモしますが、話したり食べたりの合間の記録はなかなか大変です。

 

 

 

 

 

弁当6

               マレーシア(1990年)

              

 

 クアラルンプールからシンガポールに向かう車中の弁当です。

 食パンとごはんの組み合わせは日本ではあまり見かけません。お米はインディカ種ですね。

 種類は少ないのですが、鶏のから揚げはすごいボリュームがありました。

 コカ・コーラでなくお茶が欲しいと思うのは日本人だからでしょうか。

 外国に行くと水道水をそのまま飲用できず、どんな水で洗っているかわからない生野菜は衛生面で気になります。そこまで神経質にならなくてもとは思うのですが。

 そういえば、海外旅行中歯磨後の水道水が口に残らないよう、必ずペットボトルの水で口を漱ぐ人も多かったように思います。

 世界には、渇水で苦しんでいる人が多い中で、蛇口をひねれば当たり前のように飲料水が出てくる日本。「湯水のごとく使う」なんて言葉は日本だけでしか通用しないでしょうね。

 失えば、生命の危険にさらされることになるのですからありがたいと思って大切にせねばとつくづく思います。

 

 

 

弁当5

                 韓国(1990年)

              

 明日は不在ですので、一日早い更新です。

 列車セマウル号(釜山→ソウル)の中で食べた駅弁で、気づいた点は次のとおりです。

➀梅干しがおかずの一つとして添えられ、しかも大きい。梅干しは日本では日の丸弁当といってご飯の真ん中に入れるので、反日感情が弁当にも反映されているのかと思ったのですが、韓国の友人に聞いたら、梅干しをご飯の中央に入れる習慣がないとのことで、逆に日本ではなぜご飯の中央に入れるかその方が不思議と言われ、なるほどと思いました。

➁ハムや牛肉の切り方が厚い。

➂海老のフライは尾が無く、外見だけでは何のフライかわからない。見栄えを大切にする日本では、尾がついてこそのエビフライですが。

➃日本の幕の内弁当に付き物の卵焼きがない。

 

「梅干しが真ん中」についてのエピソードです。

 在職中、梅干しがご飯の隅っこに入っていた学生の弁当を見て「梅干しは真ん中じゃないのね」と聞くと、待ってました!と言わんばかりに「我が家はみんな日の丸反対なのです。ついでに言っておきますが君が代も反対です」と。

 弁当の中にもさりげなく主義主張が盛り込まれていました。

 

弁当4

               アメリカ(1991年)

              

 米国研修旅行の学生を引率したとき、ピクニック用にバスに積み込んだ料理を現地で皿に盛った弁当です。

 フライドチキン、ポテトチップス、コカ・コーラ、オレンジといったアメリカを象徴するような内容です。

 プランテーションでは昔の家の家具や台所を見学したのですが、季節によって食堂の場所を変えることができるほど広々としていて、日本の家は広さの点ではまるで奴隷小屋みたいとささやき合ったものです。

 日本は今でこそ「寝食分離」は当たり前ですが、私の幼少期、昼は食堂(ちゃぶ台を出して)、夜は寝室(布団を敷いて)の家が多かったように思います。住宅事情もさることながら、「畳」文化ならではの「基本スタイル」だったのかもしれません。畳文化あってこその着物や日本料理と、つい思ってしまいます。

 広大な国の広い家屋の中では、チマチマとした幕の内弁当も茶懐石料理も似合わないような気がするのですが独断でしょうか。

 

弁当3

                スイス(2013年)

                

 スイスのホテルに到着したのが遅かったためか夕食は幕の内弁当。

 「安価なコンビニ弁当よりもお粗末」と書いている通りの内容です。

 8日間でヨーロッパ4か国(ドイツ、スイス、フランス、イギリス)という行程自体に無理があり、食事にしわ寄せが来たのかもしれません。

 ところで、日本の幕の内弁当に卵焼きは付き物ですが、外国で出される幕の内弁当の中に卵焼きを見たことがありません。

【卵焼き!】日本ではかつて、大衆に人気のあるものの代名詞として「巨人・大鵬・卵焼き」なんて言葉がはやったくらい定番の一品で、今でも不動の地位を保っています。

 卵に砂糖、塩、醤油などの基本調味料を混ぜて焼くだけというシンプルなものですが、それだけに味付けのバリエーションも様々で、お菓子のように甘ったるい卵焼き、しょっぱめの卵焼き、どちらも口にしたことがあり、家庭によってずいぶん味が異なるのだと思いました。市販の弁当の卵焼きも味や硬さはかなり違いますね。

 関東では甘い味、関西地区では出し汁を利かせたものが好まれるそうで、地域差もあるようです。

 ウナギのかば焼きを巻いた「鰻巻(うま)き卵」が入っていたらちょっと高級な弁当といえそうです。