スリランカ6(紅茶)

 今回は、旅のテーマでもあるスリランカ紅茶の話です。

 スリランカでの紅茶生産はイギリス領セイロンの時に始まり世界でも有数の紅茶輸出国となり、独立後国名はスリランカになりましたが、栽培を始めた当時の地域名にもとづく「セイロンティー」の名で親しまれています。

 「午後の紅茶」や「紅茶花伝」などのペットボトル紅茶にも用いられ、日本人にはなじみのある紅茶です。

 スリランカ紅茶の香りや味は栽培される地域の標高で異なり、標高1,200m以上の高地産茶(High Grown Tea)、標高600〜1,200mの中地産茶(Medium Grown Tea)、標高600m以下の低地産茶(Low Grown Tea)と標高によって3段階に分けられます。

 高地産茶はヌワラエリヤのほかに、ウバ、ディンブラも含まれ高級品として扱われることが多いです。紅茶を淹れたときの色はライトで、渋みがあり、紅茶のシャンパンといわれるインドのダージリン茶に似ているといわれストレートで飲むのがお勧めです。ウバ紅茶も世界三大紅茶の一つですよ。

 ちなみに世界の三大紅茶はインドの「ダージリン」、スリランカの「ウバ」、中国の「キーマン」ですね。

 中地産茶(Medium Grown Tea)は標高600〜1,200mで産地としてはキャンディで、癖 がなくブレンドティーにもよく使われます。

 低地産茶(Low Grown Tea)は標高600m以下で、標高が低くなるほど濃い水色・濃厚な味わいになり、ミルクティーに向いています。

 スリランカには、乾季と雨季があり、乾季は雨が少ないため茶の成長が遅くなり収穫量は減りますが、味・香りが濃くなり茶園のクオリティーシーズンといわれています。

「ヌワラエリヤ」の乾季は12月〜2月で、訪問した茶業研究所までの景観はまさに緑の絨毯で、現地の人に交じって茶摘みを経験しました。

 スリランカで紅茶を求めた人は「安くてとてもおいしい」と口をそろえて言います。私も、ゼミ生10数人分お土産に買いましたが、海外旅行のお土産としては最も安上がりで質の高いお土産だったような気がします。

 スリランカ紅茶について検索していたら「スリランカ紅茶危機」という文字が飛び込んできました。経済危機の真っただ中、有機革命による化学肥料の輸入禁止で紅茶生産量は半減の恐れ、おまけにウクライナ戦争のあおりを受け価格高騰と、紅茶大好きの私にとって行方が気になる記事でした。